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イップスとギャバ [ひとこと養生記]

仔犬がキャンキャン吠えつづけている。

どうすることもできない。なきやむのを待つしかない。

英語で「イップ(yip)」という。

これを語源とするのが「イップス(yips)」。

「(スポーツ競技者が精神を集中してプレーに入るときの)極度の緊張(による震え)」というのが英和辞典の語釈(『新英和中辞典』研究社刊)。

新刊の国語辞典(『広辞苑』岩波書店刊)にはこうある。

「これまでできていた運動動作が心理的原因でできなくなる障害。もとはゴルフでパットが急に乱れることを指したが、現在は他のスポーツにもいう」

1930年代、プロゴルファーのトミー・アーマーが、パッティングで緊張すると手がふるえて止まらなくなり、引退を余儀なくされた。

アーマー自身が、のちに自分に起きた現象を「イップス」と表現した。

以後、スポーツの集中すべき局面で極度に緊張し、震えや硬直を起こす運動障害を指す用語として用いられてきた。

ゴルフに加え、野球、テニス、卓球、弓道、アーチェリー、ダーツなど手先を使うスポーツに多く見られる症状だという。

あのイチロー選手も高校時代に体験したことがあると、テレビ朝日系列「報道ステーション」で、稲葉篤紀・侍ジャパン監督によるインタビューでこう話した。

「(高校時代) ピッチャーを続けたいというのはあったんですけど、途中、僕イップスになっちゃったんで、僕らの時代は1年生の僕らがゴミで、2年生が人間、3年生が神様っていう位置付けなので。ゴミが神様に投げるわけですから、それは大変なもんですよ。それでイップスに……」

イップスに陥ると、一流のアスリートでも実力が発揮できない。
 
これに対するギャバ(GABA)の効果を試した実験がある。

ギャバは、アミノ酸の一種で正式な名称はγ-アミノ酪酸。英語のGamma Amino Butyric Acidを略してGABA(ギャバ)。

アミノ酸といえば、たんぱく質を構成する成分を指すのが普通だが、ギャバはそれらとは異なり、主に脳や脊髄ではたらく「抑制系の神経伝達物質」である。

脳の興奮を鎮め、ストレスをやわらげるリラックス効果、抗ストレス作用、脳細胞の代謝活性化作用などが明らかにされている。

ギャバが不足すると、興奮系の神経伝達物質が過剰に分泌するのを抑えることができなくなり、精神的な緊張感が続いてしまう。

大井静雄・東京慈恵医大教授(脳神経外科)らは、ゴルファーのイップスにギャバが有効であるかどうかを検証する試験を行った。

兵庫県・上月コースで行われた試験には、30歳代~60歳代の男性20人(平均ゴルフ歴21.2年。平均ハンディ22.1)が参加した。

試験方法は、集合時にギャバ錠60㍉㌘を摂取、前半9ホールのラウンド中にギャバ100㍉㌘含有のスポーツドリンクを飲み、9ホールでギャバ錠60㍉㌘を摂取。

後半11ホール、13ホール、15ホール、17ホールでギャバチョコを2粒ずつ(ギャバ量14㍉㌘)食べて、適宜、ギャバドリンクを飲んだ。

ギャバの総摂取量は376㍉㌘だった。

結果はどうだったか。

ゴルファー自身の自己評価をみると、ギャバ効果が「大いにあった」+「まずまずあったと思われる」が、ドライバーでは43%、

ショートアイアンやアプローチ、パッティングでは50%、

全ホールを通じては79%。

イップス(精神的緊張による失敗)の予防効果を認めた人は93%だった。

「謎の病の処方箋」の一例とは言えまいか。

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