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結核健在 高齢での発症 [医学・医療短信]

結核健在 日本、高齢での発症多く

 厚生労働省によると2016年に国内で新たに結核を発症した人は前年比655人減の1万7625人。

 戦中・戦後に猛威をふるい1950年代には年に60万人近くが発症していたが、結核予防法(現在は感染症法)を定め、発症の際の届け出の徹底や、医療費の公費負担の充実を図ることで世界的にも速いペースで抑え込みに成功してきた。

 ただ、直近の人口10万人あたりの新規患者数を見ると、米国(2.8人)、オランダ(5人)などに比べて、日本は13.9人と依然として多い。

 欧米諸国が19世紀に発症のピークを迎えたのに対し、日本は遅れたためで、若い頃に感染した人が高齢になって発症するケースが今も多く、16年の集計でも発症者の7割以上が60歳以上だった。

 同省は東京五輪が開かれる20年までに人口10万人あたりの新規患者数が10人以下の「低まん延国」となることを目標に、結核の早期診断、治療強化などに力を入れている。

 結核はけっして過去の病気などではなく、いまも流行が続く主要な感染症の一つなのだ。

 注目すべき点が三つある。

1 70歳以上の高齢結核患者が新登録結核患者の半数以上を占め、さらに増加傾向にあること。

2 大都市での罹患率が高いこと。

 大阪市=47.4、名古屋市=31.5、堺市=28.5、東京都特別区=26.0の罹患率(人口10万人対)は、それぞれ長野県=9.1(全国最低)の5.2倍、3.5倍、3.1倍、2.9倍である。

3 毎年ざっと40件の集団感染が発生していること。

 感染場所は、病院、職場、パチンコ店、学習塾、ネットカフェ、スクールバス......などさまざま。

 世界に目を向けると、事態はいっそう深刻だ。

 世界保健機関(WHO)は1995年、全世界の成人の死因の第1位は結核で、今後10年間に3000万人が結核で死亡すると予測した報告書を発表した。

 報告書は「現在、全人類の3分の1が結核菌に感染しており、1秒間に1人の割合で感染者が増加している」と指摘している。

 患者は圧倒的に発展途上国に多く、先進国には少ないが、日本は「結核中進国」だ。

 日本の罹患率(18.2)は、米国(4.1)の4.4倍、カナダ(4.9)の3.7倍、スウェーデン(5.6)の3.3倍、オーストラリア(6.4)の2.8倍である。

 結核予防対策が進んだことにより、若い世代では、未感染(ツベルクリン反応陰性)の免疫力をもたない人が増え、職場などで開放性結核の患者に接した場合、結核菌の直撃を受け、容易に感染・発病するケースが多い。

 一方、高齢者は、若いころ(結核の流行が続いていた50年代の半ばごろ)に感染して、肺の中に潜在的に結核菌を持っていても発病していなかったが、その人たちが加齢とともに体力が弱まり、冬眠していた菌が復活し、発症するケースが多い。

 若いときにかかって完治したはずの結核の再発例もあるようだ。

 胃かいようや糖尿病、がんなどのために免疫力が落ちている人が、重症の結核を発病する例もある。

 つまり、結核というのは「免疫ができない病気なのだ。

 免疫(病原体に対する体の力)は、ウイルスのような小さなものに対しては、とても利口で強い。

 だから、たとえば麻疹(はしか)のようなウイルスの感染で起こる病気は、一度かかると、もう二度とかからない。

 ワクチンで免疫力をつけることもできる。

 だが、結核菌のような大きい(ウイルスの何億倍もある)ものに対しては、「免疫はバカで弱い」と、免疫学者の奥村康先生は話した。

「結核菌に対するワクチンといわれているのがBCGですが、BCGの注射で結核が防げるか? 

 防げません。

 BCGを打っても、ツベルクリン反応陽性でも、せきの飛沫感染で簡単に感染します。結核菌に対してBCGは全く無力です。BCGなんてやっているのは、サミット参加国のなかでは日本だけです」

 ──であるから、結核に対して安全な人は、いない。

 結核は、決して「ひとごと」ではない。

 結核の症状は、風邪と似ている。

 初めはせきやたん、微熱が続き、そのうち寝汗、全身倦怠感、息切れなどが生じ、やせてくる。そして、たんに血がまじり、血を吐く(喀血)。

 そうなる前に治療を始めると、治りも早い。2週間以上、せきやたん、微熱が続くときはぜひ病院へ──。

 呼吸器内科がよい。
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