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ストレスはやっぱり健康に悪い [健康小文]

 精神的苦痛やストレスが健康に悪いくらい誰でも知っている。

 だが、ストレスを具体的に表現する方法が難しい。

 科学的なデータは案外少ない。

 ストレスと健康に関連した論文を石蔵文信・大阪大学招へい教授が紹介している。

 精神的苦痛でがんが増える三つの理由

 BMJ(イギリス医師会雑誌:British Medical Journal)誌オンライン版に掲載された、英国のG David Batty氏らによる精神的苦痛とがんの関係に関する研究。

 1994~2008年に開始された16件の研究に参加した患者の中で、自身の報告による精神的苦痛スコアの記録がある16万3363例を解析の対象にしている。

 かなり大規模なデータではあるが、精神的苦痛に関しては自己申告である。

 平均約10年の調査期間中に1万6267例が死亡し、このうち4353例ががんで死亡した。

 解析の結果、精神的苦痛が軽度の群に比べ、苦痛が重度の群は、すべての部位のがん死亡率が高かった。

 精神的苦痛が重度の群は、喫煙非関連がん、大腸がん、前立腺がん、膵(すい)がん、食道がん、白血病のリスクが特に高かった。

 この中でも大腸がんと前立腺がんのリスクは、精神的苦痛スコアが上がるに従って増加した。

 精神的苦痛でがんが増えるのはなぜなのか、Batty氏らは三つの理由を挙げている。

1) 実はがん細胞は健康な人でも毎日数千個くらいできている。それを免疫、特にナチュラルキラー(NK)細胞がやっつけてくれているので大きながんにはならない。

 精神的苦痛に繰り返しさらされると、そのNK細胞の機能が低下してがんが増殖する。

2)脳の視床下部は自律神経やホルモンをコントロールする重要な部位であるが、ストレスが続くとその機能が低下し、とくにホルモン関連がんの防御過程に悪影響を及ぼす。

3)苦痛によって飲酒や喫煙が増え、運動不足や食生活の乱れによる肥満などのリスクを介して、間接的に発がんの可能性を高める。

「脳」が引き起こす心血管の病気

 もう一つはLancet誌(査読制の医学週刊雑誌)オンライン版に掲載された、脳の扁桃(へんとう)体と呼ばれる部位の活性化と心血管疾患の発症との関連を検討した、米国のAhmed Tawakol氏らによる研究である。

 この研究で、対象は293例と少ないものの扁桃体の活性を見るためにPET/CT(陽電子放射断層撮影とコンピューター断層撮影の画像を同時に撮影する)検査を施行している。

 扁桃体とは、情動と記憶に関して重要な役割がある。

 検査の結果、ストレスを受けると脳の扁桃体が活性化し、動脈の炎症や心血管イベント(心臓や血管に起こる病気)のリスクと関連していることがわかった。

 慢性的なストレスは心血管疾患の増加と関連することはいろいろな研究から明らかであったが、そのメカニズムはこれまでよくわかっていなかった。

 今回の研究で、認知や情緒のように複雑な機能に関与する脳のネットワークが活性化すると、恐怖やストレスに関連するホルモンや自律神経が変化し、動脈などを傷害して心血管の病気を引き起こすことが明らかになった。

 二つの研究で指摘されたように、視床下部や扁桃体はストレスの影響を受けやすい。

 こうした脳の働きを自身でコントロールするのは、極めて困難である。

 それゆえ、がんや心臓病を予防するには、生き方や働き方を見直してイライラせずにのんびり生きることがよさそうだということは間違いないだろう。
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