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葛根湯二題、いつ飲む&意外な効果 [ひとこと養生記]

 友あり、遠方よりEメール。

 なかなか風邪が治らないので、薬局で葛根湯(かっこんとう)を求めようとしたら、「葛根湯が効くのは、初期の風邪です」と言われた。本当か? と。

 本当だ。

 小生は以前、漢方の大家の著述の手伝いをしたことがあり、漢方にはちっとばかり詳しいのです。

 漢方では、薬は、患者の「証」を診て処方する。

 証とは「この患者のこの症状には、この薬が最も適している」という漢方独特の診断法だ。

 「葛根湯の証」は、次のような体質と症状だ。

 1 体力が中等度以上で(漢方では「実証」という)、

 2 頭痛、悪寒、発熱があり、

 3 しかし、汗が出る気配はなく、

 4 首の後ろがこっている。

 風邪のひき始めは、たいてい背筋に寒気が走り、頭が痛く、熱が出る。

 この三症状に加えて、首の後ろにこわばりを感じ、汗はまだ出てないというようであれば、どんぴしゃり、葛根湯の証だ。

 だが、ほぼ同じような症状でも、じっとり汗ばんできたときは、もう葛根湯は効かない。

 このときに用いるのは桂枝葛根湯という薬だ。

 葛根湯医者

 漢方の風邪薬の代名詞のような葛根湯は、ひき始めの風邪には特によく効く。

 その薬効のメカニズムも科学的に解明されている。

 葛根湯の成分が、風邪のウイルスを食べる細胞(マクロファージ)の働きを活性化するのだという。

 しかし、漢方でいう「葛根湯の証」(頭痛、発熱、悪寒、首の後ろのこわばりなどの四条件)に適応する病気は風邪だけではない。

 例えば鼻炎、慢性副鼻腔炎、中耳炎、片頭痛、歯痛、肩こり、五十肩、神経痛、高血圧、大腸炎...といった病気にも「証」が合えば葛根湯が用いられ、よく効く。

 そして、そういう「証」をもつ症例はとても多いので、江戸の昔は、どんな病人にもあてずっぽうに葛根湯を出す医者がいた。

 落語に登場する「葛根湯医者」は"ヤブ"の別名だ。

 これを裏返せば、葛根湯の適応症がいかに多いかという証拠になるだろう。

 くしゃみやせき、重い物を持ち上げたりした時の「腹圧性尿失禁」に対する葛根湯の効果を報告した医師もある。

 この場合は「証」とは関係なく葛根湯を投与して効いたそうだ。

 尿漏れ漢方薬

 くしゃみや笑った拍子におしっこが少し漏れる「腹圧性尿失禁」に対する葛根湯の効果を、最初に見つけたのは、漢方の専門家でも、泌尿器科医でもなく、産婦人科医だった。

 進純郎・前葛飾赤十字産院院長だ。

「風邪をひいたら、おしっこが漏れるようになったんです」という患者が来た。

 ゴホンとやると腹圧がかかるから、漏れるのだろう。

 腹圧性尿失禁だな、と思ったが、どうしたらよいかわからない。

 その場しのぎで

「まず風邪を治しましょう」と葛根湯を処方したところ、何日かして、

「先生、風邪が治ったら、おしっこ漏れもなくなりました」

 それがきっかけで、尿漏れの相談を受けると葛根湯を処方し、数十例中80%を超える有効率を得た。

「東洋医学会のにわか会員になって発表したところ、漢方の専門家がワーッと驚いてくれて、みんなが使い始めて、確かによく効く、と」

 なぜ効くのか?

 葛根湯の成分の麻黄に含まれるエフェドリンと、芍薬(しゃくやく)のピオニフロリンの相互作用ではないか、というのが、進先生の考えだ。
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