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少年の夏・老年の夏 [健康短信]

 暑い! 暑い! 暑い!

 1年中で平均して最も気温が高いのは7月20日から8月10日ごろだというが、気分的に暑さを最もつらく感じるのは7月のうちだ。
 
 体がまだ暑熱に慣れきっていないからだ。

 汗腺の働きが十分発達するためにも、血液中の水分が増えて汗を出やすくするためにも、あるいはホルモンのバランスを夏型に替えるためにも、また体のリズムを夏型に切り替えるのにも、少なくとも2週間はかかる。

 青年は体力があるからこの環境の変化に十分対応できるし、回復も早い。
  
 高齢者はそうはいかない。

 体力、免疫力、体をいつも同じ健康な状態に保っておくためのホメオスタシス(恒常性維持)の機能など、みな低下しているからだ。

 同じ暑さでも、若者と老人では体の受けるダメージの大きさが違うのだから無理をしてはいけない。

 ゲートボールなど日中の運動はほどほどに......。

 といっても、あまり体を動かさないのも考えもの。

 体力が落ちるし、夜の寝つきも悪くなる。早朝や夕方に庭仕事をしたり、軽い運動をしよう。

 日中の外出には日傘や帽子をお忘れなく。水分摂取も大切だ。
 
 児童待望の夏休みが始まった。

 夢のようにおぼろな遠い記憶だが、自分の子どものころを振り返ってみても、1年中で最も楽しい季節が夏休みだった。

 夏休みは、子どもの心と体を鍛える絶好の季節だが、思いがけぬけがをしたり、体調を崩してしまうことも少なくない。

 危険な遊びをしない、危険な場所に入らない、小さい子どもたちだけで川や海へ行かない―といったことをよく言い聞かせよう。

 暑い日に外で遊ぶときは必ず帽子をかぶる。

 カンカン照りの下で走り回っていて、頭痛、めまい、脱力感などを訴える子がいたら、軽い熱中症(日射病)にかかったのだ。
 
 日陰の涼しいところに2時間くらい寝かせると、じきに治る。

 水分の補給が大切だが、うすい塩水かトマトジュース、スポーツドリンクなど食塩の入った飲み物を飲ませるといい。

 汗をたくさんかくと、体内の塩分が失われるからだ。

 ほどよく冷えていたほうが、体への吸収率がいい。

 昼間は運動して体を十分動かし、夜はぐっすり眠って体を十分に休める。

 その釣り合いが丈夫な体をつくる必要条件だ。

 なつやすみ・五つの注意

 夏休みの子どもが、食中毒や下痢を起こさないようにと、学校食事研究会がまとめたのが、「なつやすみ・五つの注意」だ。

 な=生ものに注意。7~9月は一年中で最も食中毒が多い季節。

 原因食品別にみると、1位が調理済みの複合調理食品で、2位が魚介類。

 この二つで半分以上を占める。

 調理済み食品と魚の生ものにはくれぐれもご注意。

 あやしいと思ったら食べるのをやめるか、火を通すなどする。

 つ=冷たい飲みものの飲み過ぎに注意。

 暑い日にはとかく冷たいジュース類を飲み過ぎて、食事の量が少なくなり、栄養のバランスを崩す恐れがある。

 や=夜食に気をつけよう。

 夏休みは花火、ぼん踊り、映画会など夜の行事も多く、つい遅い時間に夜食を取りがち。

 夜ふかし、夜食は害のみあって益なし。

 す=好き嫌いをなくそう。親子の接触が多い夏休みは偏食をなおす絶好の機会だ。

 み=三日坊主をなくそう。

 夏休みは、子どもが自分で計画を立て、実践し、よい習慣を身につけたい時期。

 例えば、ふだん朝食抜きの子は「朝ご飯しっかり」の目標を立て毎日実行することで習慣化する。

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新規ホルモン療法の有効性 [医学・医療短信]

新規ホルモン療法の日本人における有効性は独自に検証する必要あり

 進行性前立腺がんに対する初期治療へのアビラテロン併用の有効性を検討した試験では、同薬の併用によって著しい全生存期間の延長が得られたと報告された。

 これを受けて日本でも同薬の適応が拡大されたものの、日本では大規模臨床試験による検証は行われていない。

 ただし、LATITUDE試験の日本人サブグループ解析では、日本人グループにおける長期生存効果が示唆されている。

 新規前立腺がん治療薬に関する欧米の臨床試験を参考にする際には、適応患者の基準が欧米と日本で同様でよいのかという問題がある。

 アビラテロンのホルモン療法未治療前立腺がん患者に対する適応はGleason score (GS=がん細胞の悪性度)8以上、骨シンチグラフィで3カ所以上の骨病変、内臓転移ありといった高リスク症例に限られる。

 骨病変の個数は日本人でも有効な予後予測因子であるものの、3〜5個の骨病変を有していても予後良好の症例が多く含まれる可能性がある。

 また、転移性前立腺がんにおけるGS 8以上の症例の割合は、欧米では50〜60%だが、日本では80〜90%と高率であり、日本ではGS 8によるリスク選別の意義が小さい。

 昭和大学江東豊洲病院・深貝 隆志センター長(泌尿器科診療科長)が同院でのホルモン療法施行患者の予後をGS別に調べた検討によると、GS 8未満にはホルモン療法が非常に有効な症例も含まれ、Gleasonパターン5の方が強い予後予測因子と考えられたという。

 さらに、欧米の臨床試験における対照群はアンドロゲン除去療法(ADT)であり、日本で広く用いられているビカルタミドを用いたCAB療法との比較ではない点にも留意する必要がある。

 これらのことから、同氏は

「日本で広く用いられてきたビカルタミドによるCAB療法との比較を含め、どの程度の生命予後改善効果が認められるのかを検証する必要がある。また、生存期間が長期に及ぶため、有害事象への対応も求められる。

 臨床現場において日本人に最適なホルモン療法を確立するためには、欧米での臨床試験を参考にしながら、それぞれがホルモン療法の有効性を独自に検証する必要がある」とまとめた。

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日本人の前立腺がん、最適な治療は? [医学・医療短信]

日本人に最適な前立腺がん治療は?

男性特有「前立腺がん」は新たに発症する人が年間およそ10万人と急増。

その伸びは、ここ10年で2倍以上。

進行性、転移性前立腺がんに対する治療は目覚ましく変化しているが、ホルモン療法が主体であることに変わりはない。

ホルモン療法の有効性には人種差があることが示唆されている。

昭和大学江東豊洲病院泌尿器科教授の深貝隆志氏は、日本と欧米におけるホルモン療法の現状を比較した上で、今後、臨床において日本人に最適なホルモン療法を独自に検証する必要があると第106回日本泌尿器科学会で述べた。

日本人は欧米人に比べてホルモン療法の効果が高い

 深貝氏は、前立腺がんの日本研究グループ(Japan Study Group of Prostate Cancer=J-CaP )と、米国の泌尿器診療施設(Cancer of the Prostate Strategic Urologic Research Endeavor=CaPSURE)のデータを用いて前立腺がん治療の動向を紹介した。  

近年では、日本でも米国と同様に前立腺摘除術が主流となりつつあるが、日本は米国と比べて転移がん、高リスクがんが多く、高齢患者が多い。

そして、限局がんから転移がんまで広くホルモン療法が行われている。

ホルモン療法の内訳を見ると、日本ではビカルタミドを用いた複合アンドロゲン遮断(CAB)療法が約75%の症例で行われている点が特徴だ。

日本人では白人や黒人と比較して、ホルモン療法が有効である可能性が示唆されている。

深貝氏らは2006年に発表したハワイ在住の日系人と白人でホルモン療法後の臨床転帰を比較した研究で、全生存率と疾患特異的生存率は日系人患者の方が良好であり、多変量解析の結果、有意な予後予測因子の1つとして人種が同定されたことを報告している。

同様に、米国の白人、黒人、アジア人を対象とした報告でも、アジア人の予後は白人より有意に良好であることが示されている。

さらに、J-CapとCaPSUREを比較した研究においても、日本人のホルモン療法後の予後が米国人より良好であると報告されている。

 同氏は
「日本人を含むアジア人ではホルモン療法に対する感受性が高い可能性や、虚血性心疾患や骨折などの有害事象が少ない可能性、日本の泌尿器科医の方が手厚いホルモン療法を施行している可能性などが挙げられるものの、その原因は明確ではない」と言う。

また、同氏らの研究のサブ解析では、前立腺特異抗原(PSA)100ng/mL以上の進行性前立腺がん患者で、予後に白人との差が認められない傾向が示されている。

同氏は、

「日本人では、より早期のがんの方が欧米人と比べてホルモン療法による生存期間の延長が期待できる可能性がある」と述べた。
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耳に虫! さあ、どうする?  [医学・医療短信]

夏に増加 耳に虫が入ったら救急外来へ!
志賀隆 / 国際医療福祉大学准教授/同大学三田病院救急部長

 家庭での対処はやめた方がいい理由
 
夏の爽やかな夕方、自転車を運転していたら急に耳が聞こえなくなった。

痛みもある。そしてなにやら動いている気がする--。

こんな経験はありますか? 

暖かい季節になると、一定の確率で起こります。

そんな時、どのように対処したら良いのでしょうか。

虫が入ったぐらい、自分で対処できると思われるかもしれませんが、結論からいうと救急医の意見は「耳鼻科や救急外来など医療機関を受診してほしい」です。

理由としては、家庭で試すことによって

1)虫がさらに奥に進んでしまう

2)1)の結果、虫が取れにくくなる

3)虫が鼓膜にダメージを与えることがある

という恐れがあるためです。

病院に来る前にできることはあるか?

 そうはいっても、山登り中やキャンプなどですぐに病院に行ける状況ではない場合にどうするか、というご質問もあるのではないかと思います。

そのような時に自分でできる対処法をまず、解説しましょう。

A)つまんで出す

もし外耳道(耳の穴)から虫の一部が見えてつまめるようであれば、ピンセットなどの器具で注意深くつまんで引っ張り出すことも一つの選択肢です。

ただ、この際に痛みが強かったり出血したりするようであれば、無理をしない方がよいでしょう。

B)光をあてる

虫は光の方向に向かう習性があるため、この方法を試してみる価値はあるかもしれません。

一方で、大抵の場合は頭から外耳道に入り込んでしまっています。

このような状態では、虫は前に進むことがほとんどで、光をあてても方向転換して外に出てくることはあまり期待できません。

C)油

教科書によっては、ミネラルオイルなどの油を外耳道に入れることで虫を油漬けにして窒息させ、動きを止めるという方法を記載しているものもあります。

とはいえ、この方法で虫を除去できる可能性が高いかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。

ということで、最終的には病院の受診をお勧めします。

病院ではどうやって対応するのか?

では、次に病院にいらっしゃった際にはどのような方法があるのかを以下に解説します。

診断:まずはどのように医師が診断をするかについてです。

大抵の場合は前述のように、

◯突然耳に何かがつまった

◯突然耳が聞こえなくなった

◯耳に何かが入った気がする

◯異物感があり動いている

◯痛みがある

などの症状やエピソードがある場合に外耳道に虫が入ったことを疑います。

地域によって異なりますが、ガ、ゴキブリ、コオロギなどさまざまな種類のものが入り込むことがあります。

診察では、耳鏡という外耳道や鼓膜を観察するための特殊な診察器具を使って、患者さんの協力を得ながら注意深く外耳道や鼓膜を観察していきます。

出血がないか? 鼓膜は破れていないか? 虫はどのような種類で方向はどちらを向いているか?などを観察します。

処置:どのように虫を取り出すのでしょうか。

△局所麻酔薬

局所麻酔薬のうちリドカインという名称のものにはゼリー状の製品があり、よく虫の除去の際に使います。

この薬を使うことで患者さんの外耳道の痛みを取ることでき、かつ虫の動きが止まります。

ただし、鼓膜が破れているとリドカインが鼓膜より内側に入ってしまい、めまいの原因になります。

そのため、耳鏡での所見で鼓膜の損傷を疑う場合や出血がある場合には注意が必要です。

△洗い出す

虫の動きが止まり、患者さんの痛みも局所麻酔薬で治まってから行います。

点滴の際に使われる留置針というプラスチックの軟らかい針を使います。

その際に使用するのはぬるま湯です。冷たい水を使ってしまうとめまいが起きてしまうことがあるからです。

針の深さを調節しつつ何度か洗浄することが必要で、患者さんに説明をして協力を得ながら進めていきます。

△つまんで出す・吸引する

上述の局所麻酔薬+ぬるま湯での洗い出しがうまくいかなった際に行います。

先ほどご紹介した耳鏡を用いて直接虫をみながら小さな把持鉗子(かんし)という器具を使ってつまんで虫を出します。外耳道は狭いスペースなので、スパッととれないこともあります。

他の方法としては医療用の吸引器を用いて吸引する方法もあります。吸引用のカテーテルを虫にあてがい吸引しながら取り出します。その後鉗子でつまんで取り出します。

無事、虫がとれても、外耳道の損傷や感染を考えて点耳薬を処方し、翌日耳鼻科医の診察を受けるようにお勧めしています。

いかがでしょうか? 

外耳道に虫が入った時には自宅でできることもありますが、不快な時間を短くする上でも医療機関を受診することをお勧めします。

対応可能な耳鼻科の受診が理想ですが、夜間や休日でも「ER型」とウェブサイトに紹介されていれば、救急外来であっても虫を除去できる可能性が高いです。

<「毎日新聞 医療プレミアよる
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結核健在 高齢での発症 [医学・医療短信]

結核健在 日本、高齢での発症多く

 厚生労働省によると2016年に国内で新たに結核を発症した人は前年比655人減の1万7625人。

 戦中・戦後に猛威をふるい1950年代には年に60万人近くが発症していたが、結核予防法(現在は感染症法)を定め、発症の際の届け出の徹底や、医療費の公費負担の充実を図ることで世界的にも速いペースで抑え込みに成功してきた。

 ただ、直近の人口10万人あたりの新規患者数を見ると、米国(2.8人)、オランダ(5人)などに比べて、日本は13.9人と依然として多い。

 欧米諸国が19世紀に発症のピークを迎えたのに対し、日本は遅れたためで、若い頃に感染した人が高齢になって発症するケースが今も多く、16年の集計でも発症者の7割以上が60歳以上だった。

 同省は東京五輪が開かれる20年までに人口10万人あたりの新規患者数が10人以下の「低まん延国」となることを目標に、結核の早期診断、治療強化などに力を入れている。

 結核はけっして過去の病気などではなく、いまも流行が続く主要な感染症の一つなのだ。

 注目すべき点が三つある。

1 70歳以上の高齢結核患者が新登録結核患者の半数以上を占め、さらに増加傾向にあること。

2 大都市での罹患率が高いこと。

 大阪市=47.4、名古屋市=31.5、堺市=28.5、東京都特別区=26.0の罹患率(人口10万人対)は、それぞれ長野県=9.1(全国最低)の5.2倍、3.5倍、3.1倍、2.9倍である。

3 毎年ざっと40件の集団感染が発生していること。

 感染場所は、病院、職場、パチンコ店、学習塾、ネットカフェ、スクールバス......などさまざま。

 世界に目を向けると、事態はいっそう深刻だ。

 世界保健機関(WHO)は1995年、全世界の成人の死因の第1位は結核で、今後10年間に3000万人が結核で死亡すると予測した報告書を発表した。

 報告書は「現在、全人類の3分の1が結核菌に感染しており、1秒間に1人の割合で感染者が増加している」と指摘している。

 患者は圧倒的に発展途上国に多く、先進国には少ないが、日本は「結核中進国」だ。

 日本の罹患率(18.2)は、米国(4.1)の4.4倍、カナダ(4.9)の3.7倍、スウェーデン(5.6)の3.3倍、オーストラリア(6.4)の2.8倍である。

 結核予防対策が進んだことにより、若い世代では、未感染(ツベルクリン反応陰性)の免疫力をもたない人が増え、職場などで開放性結核の患者に接した場合、結核菌の直撃を受け、容易に感染・発病するケースが多い。

 一方、高齢者は、若いころ(結核の流行が続いていた50年代の半ばごろ)に感染して、肺の中に潜在的に結核菌を持っていても発病していなかったが、その人たちが加齢とともに体力が弱まり、冬眠していた菌が復活し、発症するケースが多い。

 若いときにかかって完治したはずの結核の再発例もあるようだ。

 胃かいようや糖尿病、がんなどのために免疫力が落ちている人が、重症の結核を発病する例もある。

 つまり、結核というのは「免疫ができない病気なのだ。

 免疫(病原体に対する体の力)は、ウイルスのような小さなものに対しては、とても利口で強い。

 だから、たとえば麻疹(はしか)のようなウイルスの感染で起こる病気は、一度かかると、もう二度とかからない。

 ワクチンで免疫力をつけることもできる。

 だが、結核菌のような大きい(ウイルスの何億倍もある)ものに対しては、「免疫はバカで弱い」と、免疫学者の奥村康先生は話した。

「結核菌に対するワクチンといわれているのがBCGですが、BCGの注射で結核が防げるか? 

 防げません。

 BCGを打っても、ツベルクリン反応陽性でも、せきの飛沫感染で簡単に感染します。結核菌に対してBCGは全く無力です。BCGなんてやっているのは、サミット参加国のなかでは日本だけです」

 ──であるから、結核に対して安全な人は、いない。

 結核は、決して「ひとごと」ではない。

 結核の症状は、風邪と似ている。

 初めはせきやたん、微熱が続き、そのうち寝汗、全身倦怠感、息切れなどが生じ、やせてくる。そして、たんに血がまじり、血を吐く(喀血)。

 そうなる前に治療を始めると、治りも早い。2週間以上、せきやたん、微熱が続くときはぜひ病院へ──。

 呼吸器内科がよい。
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日本人のがんワースト5 [健康短信]

 9月の「がん征圧月間」が始まったのは、1960(昭和33)年だった。

 この年のがん死亡者は9万3773人、日本人の死因2位だった(1位は脳卒中=死亡数15万5966人)。

 以来、年ごとにがんはふえ続け、1981(昭和56)年、脳卒中を抜いて、1位になった(死亡数16万6399人)。

 2009年、がんで死亡した人は34万4105人(全死亡者の約3分の1)、日本人の2人に1人が、生涯何らかのがんになり、3人に1人はがんで死ぬ──と言われる。

 死亡率の高いがんの部位ワースト5は、男性では肺、胃、大腸、肝臓、膵臓。女性では大腸、肺、胃、膵臓、乳房。

 これに、胆嚢、食道、男では前立腺、女では卵巣、子宮──のがんを加えると、日本人のがん死亡の8割以上を占める。

 一方、罹患数の多いがんの部位は、男性では胃、大腸、肺、前立腺、肝臓、女性では乳房、大腸、胃、肺、子宮だ。

 あらゆるがんから身を守るには、大別して二つの方法がある。第一の方法は、がんの原因を除いたり、是正したりして、がんにかからないようにすること。「1次予防」という。

 第二の方法は、早期発見・早期適正治療によってがんを完全に治し、がんで死ぬことを防ぐ「2次予防」だ。

 男女ともに死亡率ワースト3の胃がん、肺がん、大腸がんの1次予防のポイントを簡単に記す。

 胃がんの予防は、塩分を取り過ぎず、カビの生えたもの、熱過ぎるもの、焼け焦げたものをなるべく避けるようにする。

 また、ある種の食品のもつ発がん性が、ほかの食品と一緒に食べると消失したり、反対に二つの食品を一緒に食べると胃の中で発がん物質ができたりすることもある。

 同じ物を長期間食べ続けるなど、食事内容がワンパターンにならないようにしたほうがよい。

 肺がんの予防は、いうまでもなく、まず、非喫煙。これはもう人類の常識だ。

 いまだにたばこを吸っている人は、禁煙が無理ならせめて節煙を心がけるべきだろう。

 それとともに酒を飲み過ぎないこともだいじな条件だ。

 酒(アルコール)に発がん性があるわけではないが、発がん性物質はアルコールに溶けやすく、体の組織の中に入りやすい。

 酒は、いわばがんの運び屋の役目をする。たばこを吸いながら酒を飲むのは、がんを招き寄せているようなものなのだ。

 大腸がん予防の第一条件は野菜(食物繊維)をたくさん食べることだ。

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認知症と胆泥の関係 [医学・医療短信]

認知症患者で胆泥が生じる原因は?

 米国において、認知症に罹患している施設入所高齢者の約8割が摂食嚥下障害を呈し、1年半の観察期間中に約半数の入所者が発熱を来し、死亡しているとの報告があるが、死因の詳細は不明である。

一方、臨床現場における高度認知症の患者では、胆囊に胆汁が滞留して生じる胆泥(たんでい)が高頻度に認められる。

胆泥=濃厚な胆汁の貯留(胆泥症)。肝臓で生成される消化液(胆汁)中の成分が変化し胆泥→胆砂→胆石と成長。

加齢や長期絶食による胆囊運動の低下を胆泥形成促進因子とする報告はあるが、認知症高齢者における研究はまだない。

杏林大学高齢医学(主任教授:神﨑恒一氏、研究責任者:海老原孝枝氏) の宮本孝英氏らは、こうした背景を踏まえ、進行した認知症の高齢者における胆泥形成促進因子を検討し、第60回日本老年医学会(6月14~16日)で報告した。

胆泥を有する患者はほぼ絶食状態

 宮本氏らは2016年7月~17年8月に杏林大学病院高齢診療科に入院したアルツハイマー病(AD)または血管性認知症(VaD)に罹患した75歳以上の高齢者122例を対象に

①胆泥の有無および胆囊の体積の調査(腹部超音波検査)

②認知症診断〔Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)-V、Functional Assessment Staging(FAST)、画像検査など〕

③高齢者総合機能評価〔Barthel Index、障害高齢者の日常生活自立度(JABC)〕④摂食状態調査―を行った。

結果、約4分の1に胆泥の存在が確認され、男性に多く認められた(P<0.05)。

胆囊の体積は胆泥あり群で有意に大きく、抗コリン薬の使用は胆泥あり群で有意に少なかった(P<0.05)。

胆泥の有無別の摂食状態は、胆泥なし群の中央値が、栄養補助食品を用いた経口摂取可能レベルであったのに対し、胆泥あり群の中央値はほぼ絶食状態だった。

認知症の病期と経口摂取レベルとの関連においては、中等度までの認知症群では経口摂取可能例が多い一方、高度認知症群では絶食状態例が多かった。

認知症病期と摂食能には負の相関が認められた(P<0.05)。

また、胆泥の存在が認められることを目的変数としたロジスティック解析においては、絶食状態が有意な胆泥形成促進因子であった(P<0.05)。

認知症進行による経口摂取能力低下で胆汁がうっ滞

以上の結果より、経口摂取不能状態が認知症高齢者における胆泥形成の危険因子である可能性が示唆された。

これについて、宮本氏は「食物が十二指腸に入ると、コレシストキニンの作用により胆囊が収縮して胆汁が排出されるが、経口摂取不能状態では胆囊が収縮せず、胆汁がうっ滞することで胆泥が形成される」と考察。

抗コリン薬内服者では胆泥を認める割合が少なかったことについては、

「総胆管が十二指腸に開口するファーター乳頭の開閉を調整するオッディ括約筋が、抗コリン薬による迷走神経刺激の不活化で弛緩し、胆汁が十二指腸に排出されるためとみられる」と述べた。

その上で「認知症高齢者において、認知症病期の進行とともに経口摂取能力の低下が認められ、絶食状態は胆泥形成を促進すると考えられる」と結論した。(今手麻衣)

「Medical Tribune」2018年07月12日配信
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子どもの食中毒、外食か、自宅か、 [医学・医療短信]

子どもの食中毒、外食が自宅の2倍
 米全国調査

 食中毒は食物中の細菌またはウイルスによって引き起こされるが、細菌やウイルスはしばしば人を介して食品に移り、それらに適した温度の環境で増殖する。

 米国では年間7,500万人超に影響を及ぼしている。

 米・ミシガン大学C.モット子供病院が行った「小児の健康に関する全国調査」によると、子を持つ親の約10人に1人が、腐敗または汚染された食品により子供が食中毒を起こした経験があると回答。

 食中毒を起こした場所はレストランが自宅の2倍以上と多かったが、親は外食より自宅での安全対策に尽力していることが分かった。

 親の10人に1人が子供の食中毒を報告

 同調査は昨年(2017年)、ランダムに抽出された18歳以上の親を対象に行われた。

 調査の結果、11%が腐敗または汚染された食品により子供が食中毒を経験したと回答しており、18%は子供の体調不良が食中毒によるものかは不明と回答していた。

 子供が食中毒を経験した親のうち、原因はレストランでの外食によると考えている親が68%と最も多く、自宅(31%)、学校(21%)、友人の家(14%)、持ち寄り料理(11%)などが原因と考える親は少なかった。

 しかし、この結果と子供を食中毒から守るための親の行動は一致していなかった。

 食中毒の最も一般的な原因と考えられるレストランにおいて、食事の前に保健衛生調査の結果を確認した親は25%のみであった。

 一方、ほぼ同数の親(27%)は子供と持ち寄りディナーに参加する際に、卵やマヨネーズを含む料理を避けると答えていた。

 親は自宅での食品安全に対してさらに尽力していた。

 多くの親(87%)が食事の支度前に手を洗うと答えており、果物や野菜を洗うのは80%、冷凍食品の賞味(消費)期限を確認しているのは84%であった。

 また、冷凍食品が賞味期限を2日以上過ぎていた場合、57%がにおいや味で食べられるかどうか確認し、43%はそのまま捨てるとしていた。

 外食時には保健衛生調査の確認を

 今回の調査では、食中毒の原因は自宅と比べて外食が2倍超と多いにもかかわらず、親は自宅での食物の安全性には注意を払っても、外食については慎重でないことが分かった。

 同調査の共同ディレクターで同大学教授のGary L. Freed氏は「小児の食中毒はほとんどの場合、迅速に回復するが、一部のケースでは衰弱する。

 食中毒から小児を完全に守るのは不可能だが、腐敗または汚染された食物を摂取するリスクを減らすための対策はある」と述べている。

 食中毒の原因となる汚染は、食品の収穫から梱包、流通、調理などさまざまな段階で起こりうる。

 まな板を常に清潔に洗っておき、適切な温度で食品を保存し調理することが重要になる。

 同氏は「調理前に手を洗わないために感染する代表的な微生物は、A型肝炎ウイルス(HAV)である。

 しかし、1歳でHAVの予防接種が推奨されており、接種を受けていればほとんどのケースを防ぐことができる」と述べている。

 食中毒の症状は、汚染された食品の摂取後1時間〜3日で現れる。

 同氏は「食中毒の初期対策は、脱水症状を防ぐために多量の水を飲むこと。

 通常は軽症で済むが、米国では毎年複数の入院例、死亡例がある。

 原因食品の摂取後すぐに食中毒の症状を呈する場合もあり、特に免疫系が完全に発達していない幼児では、重大な合併症のリスクを高める可能性がある」と指摘。

「レストランでの保健衛生調査の確認や食品の調理・保管時の安全対策など、シンプルな予防策が家族の安全を守る」と述べている。

「MedicalTribune 」による
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ダニアレルギーにも有効 [医学・医療短信]

ダニアレルギーにも舌下免疫療法が有効です

 監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩

 スギ花粉症の治療法のひとつ、舌下免疫療法。

 この治療法がダニアレルギーにも効果があることがわかっています。

 1年を通じて、悩まされるダニアレルギー。

 いったいどのような治療法なのでしょうか。

 アレルギー疾患の代表的なものは、スギ花粉症です。

 これは季節性のもので、スギのシーズンが終われば症状はおさまります。

 一方、ダニ(ハウスダスト)アレルギーは、1年を通じて症状が現れ、QOL(生活の質)が低下してしまうケースも多くみられます。

 ダニアレルギーは、ハウスダストに含まれる、ダニのフンや死骸によって引き起こされます。

 主な症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、せき、目や皮膚のかゆみなどです。

 ダニは、ヒトのアカやフケ、食べ物のカス、カビなどをエサとして繁殖します。

 そのため、こまめに掃除をする、空気清浄機を利用する、防ダニ加工をした寝具を使うなど、室内を常に清潔にすることが大切です。

 しかし、いくら清潔を保っていても、症状を抑えることは難しいものです。

 そこで、治療法として注目されているのが「舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)」です。

 スギ花粉症では2014年に保険適用になっていますが、ダニが原因のアレルギーにも2015年より適用となりました。

 舌下免疫療法とは、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)を少量体内に入れて、その量をゆっくり増やしていき、アレルギーを起こさない体質に変えていく治療法です。

 ダニアレルギーでは、ダニのエキスが入った錠剤を使用します。

 治療薬(錠剤)を1日1回、舌下に置き、しばらくしてから飲み込みます。

 最初は1~2週間ごとの通院が必要ですが、副作用の有無を確認したうえで、1カ月に1度ですむようになります。

 個人差はありますが、2~3カ月で効果がみられ、治療は3~5年と長期にわたります。

 眠気など抗アレルギー薬にあるような副作用はありませんが、アレルギー反応を起こすリスクがあります。

 口の中の腫れやかゆみ、のどの違和感などがみられることがありますが、多くは短期間で治まります。

 まれに呼吸困難やアナフィラキシーショックという強いアレルギー反応が起こる危険性もあり、とくに治療開始から1カ月のあいだは副作用が出やすいとされています。

 そのため、処方には十分な注意を払う必要があります。

 現在、舌下免疫療法を行えるのは、日本アレルギー学会の講習を受け、資格を得た医師のみです。

 また、現時点では12歳未満の子どもは使用できないのが現状です。

 重症のぜんそく、心疾患、肺高血圧症、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、妊婦・授乳婦の方、三環系抗うつ薬など服用している方などは、この治療法は受けられません。

 舌下免疫療法薬は2種類あります。

 いずれも保険適用の3割負担で、1カ月の薬代は約2000円。

 治療開始から数か月は効果を感じにくい場合もあります。

 その際は、アレルギー症状を抑える薬を併用してもかまいません。

 なお、安全性を考慮し、ダニとスギ花粉、両方の舌下免疫療法を同時に行うことは認められていません。

 日常生活への影響を考えて、どちらを優先するか決めましょう。

 効果がみられれば、根治することが期待できます。

 ただし、年単位で続ける必要があるうえ、中断してしまうとそれまでの治療がむだになります。

 また、この治療をしても残念ながら効果が現れない方もいらっしゃいます。これらのことをよく理解し、医師と十分に相談して治療にのぞみましょう。

「ケータイ家庭の医学」2018年4月掲載より (C)保健同人社

「毎日新聞デジタル版 医療プレミア・2018年7月11日」による
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ビタミンDと大腸がん [健康短信]

ビタミンDが十分だと大腸がんリスク低下

 骨の健康維持に欠かせない栄養素であるビタミンDは、食事から摂取できるだけでなく、紫外線を浴びると体内で生成される。

 新たな研究で、ビタミンDの血中濃度が高いほど、大腸がんになるリスクは低減する可能性のあることが示された。

 研究によると、これらの関連は特に女性で強かったという。詳細は「Journal of the National Cancer Institute」6月14日オンライン版に掲載された。

 米国では、大腸がんはがんによる死亡原因の第3位を占めており、2018年には14万250人が新たに大腸がんと診断され、5万630人が大腸がんにより死亡すると推計されている。

 また、生涯で大腸がんに罹患(りかん)する確率は、女性では24人に1人、男性では22人に1人といわれている。

 米国がん協会(ACS)疫学研究部門長のMarjorie McCullough氏らは今回、17件のコホート研究に参加した計5706人のがん患者と、計7107人の健康な対照群のデータを用いて、血中25(OH)D濃度と大腸がん罹患との関連を調べた。

 対象者の約3分の1では、血液サンプルを再分析して新たに血中25(OH)D濃度を測定した。

 解析の結果、血中25(OH)D濃度が正常範囲だが低い(50~62.5nmol/L)場合に比べて、ビタミンDが不足または欠乏(血中25(OH)D濃度が30nmol/L未満)していると、大腸がんになるリスクが31%高いことが分かった。

 一方で、血中25(OH)D濃度が十分であると(75~87.5nmol/Lおよび87.5~100nmol/L)、大腸がんになるリスクはそれぞれ19%、27%低下した。

 また、血中25(OH)D濃度が25nmol/L上昇するごとに、大腸がんになるリスクは女性では19%、男性では7%低下することも明らかになった。

 ただし、血中25(OH)D濃度が100nmol/L以上になると、この効果は頭打ちになった。

 しかし、大腸がんを予防するために、わざわざ日焼けをする必要はないようだ。

 McCullough氏によれば、大腸がんリスクが上昇するほどビタミンDが欠乏している米国人はわずかに過ぎないという。

 ほとんどの人は普段の生活でビタミンDを十分に取れており、過剰摂取は逆に身体に悪影響を及ぼすため、サプリメントの摂取は勧められないとしている。

 また、紫外線は皮膚がんの強いリスク因子になるため、「ビタミンDの血中濃度を上げるために日焼けすることは勧められない」と同氏は強調している。

 ビタミンDは骨の健康に重要なことが知られているが、がんやそれ以外の疾患に対する有効性は十分に検討されていない。

 2011年の米国医学研究所(IOM、現・米国医学アカデミー;NAM)による食事摂取基準に関する報告書でも、ビタミンDによるがん予防効果については十分なエビデンス(科学的根拠)はないことが記されている。

 なお、ビタミンDががん予防に働く機序は明らかにされていないが、基礎研究で、ビタミンDには細胞の増殖を抑えたり、細胞死を促進する作用があることが示されている。

 McCullough氏は「ビタミンDはこうした作用により異常ながん細胞の増殖を抑えるように働くのではないか」と話している。

(HealthDay News 2018年6月15日)Copyright [コピーライト] 2018

「毎日新聞デジタル版 医療プレミア」2018年7月10日
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