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認知症になっても役に立てる [医学・医療短信]

 地域医療に取り組む医師で作家の鎌田實さんが、認知症について温かく話している。
 
「蝶の眠り」というすてきな映画をみた。

 韓国の女性監督チョン・ジェウンが、日本のスタッフとキャストとともに、美しい映画をつくった。

 中山美穂が演じるのは、人気小説家。

 夫と別れた後、精力的に執筆を続けていたが、母親と同じ遺伝性アルツハイマー病に侵される。

 病の進行を不安に思いながら、韓国から来た小説家志望の留学生にサポートしてもらいながら、小説を書き上げる。

 「アルツハイマーになっても小説を書くことも、人を愛することもできる。美しく、やさしく、可能性に満ちた映画だ」

 この映画についてコメントを求められ、ぼくはそんな文章を寄せた。

 今回は認知症について考えてみたい。

 主人公は「遺伝性アルツハイマー病」ということになっているが、アルツハイマー病の患者さんの一部には、遺伝子が関係しているものもある。

 家族性アルツハイマー病は40代など若いときに発症する傾向がある。

 アルツハイマー病は、アミロイドβというたんぱく質がシミのように脳細胞に沈着し、脳細胞が硬くなって働かなくなってしまう。

 家族性アルツハイマー病の人は、いくつかの遺伝子変異があり、アミロイドβを異常につくってしまうことがわかっている。

 しかし、その遺伝子をもっているからといって、必ず発症するわけではない。

 遺伝子はスイッチがオフになっていると働き出さないといわれている。

 スイッチを入れる原因は、慢性炎症である。

 つまり、慢性炎症を防ぐことが、遺伝子があってもアルツハイマー病を発症させないカギを握っていることになる。

 慢性炎症とは、簡単にいうと炎症の症状が長期的に続くことをいう。

 切り傷が赤くはれて熱をもつのは急性炎症だが、慢性炎症はがんや動脈硬化、アルツハイマー病などの進行に関係するといわれている。

 糖尿病があると慢性炎症を起こしやすくなる。

 だから、認知症の発症を抑えるために、糖尿病にならないようにすることも大切なのだ。

 歯周病も慢性炎症を起こすので要注意。

 最近、注目されている骨ホルモンのオステオカルシンは、骨密度を高めるだけでなく、膵臓(すいぞう)に作用して糖尿病を改善・予防する働きがあることが報告されている。

 このオステオカルシンの分泌を促すには、かかと落としのような骨に衝撃を与える運動がいい。

 背筋を伸ばして立ち、かかとを上げて3秒キープした後、ストンとかかとを床に落とす。

 注意点は、(1)背筋を伸ばす(2)かかとを上げて3秒(この時フラフラする人は、何かにつかまってもよい)(3)かかとからドンと落ちること

 これを1日30回ほど続けると、骨粗鬆(こつそしょう)症の予防になり、認知症の予防にもつながる。

 毎日の生活では、緑黄色野菜をたくさん食べることも大切だ。

 野菜に含まれる色素は、抗酸化力をもっており、慢性炎症を抑えてくれる。

 つまり、適度な運動習慣を身につけて、血糖値を上げないこと、野菜を食べることがポイントになる。

 そのうえで、認知症をおそれすぎないこともぼくは大事だと思う。

 名古屋には「おれんじドア も~やっこなごや」という認知症当事者の会がある。

 51歳のときに認知症と診断された山田真由美さんは、

「認知症になっても、人の役に立つことができる」という思いで代表をしている。

 こういう意識が大事なのだと思う。

 ぼくには、63歳の若年性認知症の男性の友人がいる。

 時々メールのやりとりをしているが、彼は認知症に負けないためには、閉じこもっていてはいけないという信念をもっている。

 若年性アルツハイマー病と診断されて13年がたつが、いまも1人暮らし。

 積極的に外出しながら人生を楽しんでいる。

 彼は「認知症患者にも満ち足りた生活がある」と言う。

 そのために、(1)ないものねだりをしない(2)小さな目標を立てて達成感に浸る(3)好きなこと、楽しいことを見つけて実行する--を心がけているという。

 こうした当事者たちの声は、ぼくたちに勇気を与えてくれる。たとえ認知症になっても、認知症イコール不幸ではないことを忘れないようにしたい。

 毎日新聞2018年5月20日東京朝刊「さあこれからだ」 
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物忘れが多い。本当に「認知症」? [健康短信]

物忘れが多いうちの母は本当に「認知症」?

その場しのぎ”の認知症ケアはもう古い

ペホス / 認知症ケア・コミュニケーション講師

母親:あんた、今日の晩ご飯は?

息子:いらないってさっきも言ったよ。何回聞くんだよ。

母親:あら、そう?

息子:しっかりしてくれよ……。

 お母さんとこのやり取りをした息子さん(30代)に、「私の母は『認知症』なんでしょうか?」と相談されました。

 話を聞くと、お母さん(70代)は日常生活をきちんと送れていて、物忘れはあるものの、年相応の物忘れのように思えました。

 そこで、「お母さんが『認知症』ではないかと疑っているようですが、どんな発言や行動からそう思うのでしょうか?」と尋ねたところ、次のような答えが返ってきました。

 ▽「ご飯はいるのか?」って毎日聞かれます。「いる」「いらない」ってその都度返事をしているのに、しょっちゅう聞き返されるのでイライラします。

 ▽テレビのリモコンの使い方を説明しても、僕の説明の半分も覚えていません。だから結局、毎回使い方を教えるはめになります。

 ▽きれい好きだったのに、家にほこりがたまっていても気にしなくなりました。本人は「掃除はしている」と言うのですが、本当かどうか……。

 息子さんが「ひょっとして『認知症』じゃないか?」と疑いたくなるのもうなずけます。しかし、ここに落とし穴があります。

 本当に「認知症」が原因なのか? という疑問

 息子さんの体験を、「認知症」の可能性を考えながら見ると、次のように推定できます。

(1)返事をしているのに、しょっちゅう聞き返してくる(記憶力の低下)

(2)伝えたことを、半分ぐらいしか理解していない(理解力の低下)

(3)きれい好きだったのに、ほこりがたまっていても気づかない(性格の変化)

 「記憶力の低下」「理解力の低下」「性格の変化」は、「認知症」が原因で起こる症状で、息子さんの心配も無理はありません。

 もちろん、可能性はあるかもしれませんが、わたしはあえて「『認知症』ではないのでは?」と見るようにしています。

 「認知症」に限ったことではありません。

 人は「○○ではないか?」と見当をつけると、当てはまる情報に照準を合わせたがる傾向があります。

 しかし、「認知症」の可能性が高いとしても、「認知症」ではない可能性も考えながら話を聞くことで、違う見方ができます。
 
 両方の視点からバランスのとれた見方をして、その人の行動を理解することが大切です。

 そこで、息子さんに次のような観点をお伝えしました。

 その行動は「認知症」が原因ではないかも?

(1)返事をしているのにしょっちゅう聞き返す

 ここで鍵になったのは「しょっちゅう」というフレーズでした。

 「毎回ではない」ということです。実際、息子さんに聞くと、「聞き返されない時もある」ということでした。

 であるなら、単純に「返事が聞こえていない」可能性があります。

 息子さんに「はっきり聞こえる声で返事していますか?」と聞くと、

「出かける準備をしながらだし、ちょっとイライラしながら返事をしているので、もしかしたらよく聞こえていないかもしれません」とのことでした。

(2)伝えたことの半分ぐらいしか理解しない

 ポイントは「僕の説明の半分も覚えていないんですよ」という点。

 つまり、半分は理解しているけれど、半分はあいまいにしか理解していない可能性です。

 年齢を重ねると、聞いたことを理解するスピードが遅くなります。そのため、早口の説明を理解しにくくなることがあります。

 そこで、「ゆっくり丁寧に説明していますか?」と尋ねると、「ああ、またか!と思うこともあり、早口でぞんざいな説明だったかもしれません」と言います。

(3)きれい好きだったのに、ほこりがたまっていても気づかない

 お母さんはほこりに気づかないようですが、「掃除はしている」と言っています。

 可能性として、白内障などによる視力低下が起きているのかもしれません。

 視界に「もや」のようなものがかかっているように見えるので、単純にほこりが見えないことが考えられます。

「お母さんは白内障と言われていませんか?」と尋ねると、「そういえば1年前、手術するほどではないが、白内障があると聞いたことがあります」とのことでした。

 認知症かどうかは医師の診断で判断を

 このように、息子さんの体験から、「(声が小さくて)聞こえていない」「(話が)早すぎてわからない」「(白内障で)見えていない」という可能性を考えることができました。

 その後、お母さんは病院で受診し、医師は「年齢相応の物忘れで、『認知症』ではありません」と診断したそうです。

 一見「認知症」に見える行動が、別な理由で起きた可能性を考えることも、「認知症ケア」では大切です。

 ※「認知症」の原因疾患は80種類以上あると言われています。

 認知症という単純表記で正確さを欠く記述にならないように、小欄では、さまざまな疾患が原因で起こる総称としての認知症を、かぎかっこ付きの「認知症」と表記します。
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認知症VS多様性スコア [健康短信]

認知症に備える 偏食せず何でも食べる

「認知症予防に効果的」と言われる食材はたくさんあるが、何をどのように食べればいいのだろうか。

 最新の研究では、「偏食せず何でも食べる人」ほど認知機能が下がるリスクが低いという結果が出た。

 愛知県大府市に住む佐々木直子さん(89)は、90代目前の今も、毎日のように新聞記事を切り抜いたり体操教室に通ったりして元気に過ごしている。

 5月のある日の朝食は、茶わん1杯のご飯に卵焼き、焼きニンニク、大根や菜っ葉の漬物、焼きのり……と盛りだくさん。

 実家が魚屋だったことから、今もサバのみそ煮などの魚料理が大好きだ。

 毎日200ミリリットルの牛乳を飲むことも欠かさない。

「元気の源はよくかんで何でも食べること。戦時中に育ったから、食べ物のありがたみがよくわかる」と笑う。

 大府市にある国立長寿医療研究センターでは、地域の高齢者約2300人を対象に、1997年から大規模な追跡調査を実施。

 認知症予防に関する研究を幅広く続けている。

 食事に関する研究もその一つで、魚や乳製品を食べることは、認知症につながる認知機能低下を抑える効果があるという研究結果が出た。

 中でも2016年にセンターが発表した研究成果では、佐々木さんのように偏食せず何でも食べると、認知機能低下を抑えることが示された。

 何でも食べることがなぜ認知症予防に効果的なのか。

 同センターに、調査を担当する「NILS-LSA活用研究室」の大塚礼室長(42)を訪ねた。

 ●抗酸化・炎症、鍵に
 「『認知症予防に効果的』とされている食材はいろいろありますが、前提として、食事だけでは認知症は防げません。

 遺伝のほか運動や生活環境など複数要因の一つとして食生活も関わってくるという考え方をしてほしい」。

 大塚さんはそう話す。その上で、

「これまでのさまざまな研究データから、抗酸化作用や抗炎症作用のある栄養素が効果的ということが言えます」と解説する。

 認知症には複数のタイプがあり、たとえば、国内の認知症患者の6割以上を占めると言われる「アルツハイマー型認知症」は、脳細胞の酸化ストレス(体がさびることによる悪影響)が発症に関係すると考えられている。

 抗酸化・抗炎症作用のある栄養素を含む食材は、こうした酸化ストレスや炎症から脳を守る効果があるという。

 また、「脳血管性認知症」は、脳梗塞(こうそく)や脳出血によって引き起こされることもある。

 そのため、動脈硬化予防や血圧低下に効果のある食事が発症リスクを抑えると見られる。

 とはいえ、たとえば魚が効果的だとしても、毎日魚だけを食べるわけにはいかない。

 栄養素同士の組み合わせもある。

 だからこそ「何をどう食べるか」という食生活のスタイルが重要となる。

 ●「地中海食」を推奨

 海外の研究結果を基に国際的に推奨されているのは、イタリア料理に代表される「地中海食」だ。

 魚や野菜、果物、オリーブ油、ワインといった抗酸化・抗炎症作用のある食品が多い。

「オリーブ油を使った料理やワインなんて日常的に食べたり飲んだりしていない」という人は、和食にするよう意識するといいという。

 魚や野菜、豆類をバランスよく取れて、地中海食と同様に認知症の発症リスクを下げるとする国内研究がある。

 ただし、和食はみそやしょうゆなどで塩分を多く取りがちで、脳血管性認知症の要因となる高血圧や動脈硬化のリスクが高まるため、減塩を心がけることが必要という。

 ●品数多いほど効果

 さらにわかりやすいのが、冒頭で紹介した「何でもいいからとにかく多品目を食べる」という食生活スタイル。

 国立長寿医療研究センターが16年に発表した研究結果では、一度の食事でより多い品目を食べている「多様性の高い食事」の人ほど、認知機能低下のリスクが下がることが分かった。

 研究では、60~81歳の570人について、連続3日間の食事の献立を記録。

 穀類や野菜類、肉類などそれぞれの食品群の品目の多さで1回の食事の「多様性スコア」を計算した。

 たとえば、朝食をパンとコーヒーだけで済ませる人ほどスコアが低く、みそ汁やご飯、漬物、卵焼きなど、品数や使われた食材の種類が多い人ほどスコアが高くなる。

 スコアが最も低いグループに比べて、最も高いグループは、認知機能低下のリスクが44%低くなるという結果が出た。

 一つ一つの栄養素の摂取量やバランスを常に意識することは難しくても、幅広い食材をいつも取ることを心がける。

 毎日少しずつ違う食べ物を取り入れていくことから食生活上の予防を始めたい。

 研究によると、多様性スコアが高い人ほど果物や乳製品、豆類、肉、魚などをより多く食べていたという。

 加齢に伴い、男女共通して果物や乳製品の摂取量は下がる傾向にあり、女性に限っては豆類も食べる量が減っていた。

 果物や乳製品などを意識してメニューに加えることで、より効果的に多様性のある食事が取れることになる。

 食事の多様性を保つためには、献立を考えたり複数の食材を購入して準備したりと、複雑な工程をこなす必要もある。

 大塚さんは「手のかかったものをきちんと食べることは、栄養素とはまた違った面から認知機能への好影響があるとも考えられる」と話した。【塩田彩】

毎日新聞2018年5月20日 東京朝刊
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アルツハイマー病の超早期治療 [医学・医療短信]

朝丘雪路さん(82歳)がアルツハイマー型認知症のため4月27日に死去していたことが19日、分かった。

アルツハイマー病の発症前治療に関する論文を読んだ。

アルツハイマー病の超早期治療に挑む

 アルツハイマー病(AD)は記憶障害などの進行性の認知機能障害を主徴とする神経変性疾患で、病理学的変化が10数年から20年かけて進行し、症状が出現したときには既に病理学的変化はかなり進行している。

 ADの根本的治療は、発症メカニズムに即して症状の出現前を対象とする方向にあるという。

 東京大学大学院神経病理学分野教授の岩坪威氏に聞いた。

 脳画像や体液バイオマーカーを探索

 ADの病理学的特徴としては、大脳皮質の神経細胞脱落、神経原線維の変化、老人斑の出現が挙げられる。

 1980年代に病理学的研究が進み、老人斑の主成分であるアミロイドβ(Aβ)や神経原線維の変化の主成分であるタウ蛋白質が同定された。

 また、1990年代には遺伝学研究の進歩により、家族性ADの研究からAβがADの病因であること(アミロイド仮説)、タウ蛋白質は細胞死から認知症症状の発現のメカニズムに関わることが立証された。

 アカデミアにおいて発見されたAD発症メカニズムに基づき、1990年代末には製薬企業がAβとタウ蛋白質を標的として、それらが凝集・蓄積する過程を抑制する疾患修飾薬の開発に取り組み始めた。

 岩坪氏は「ADの治療では、その発症メカニズムを知り、症状が軽度または不完全な軽度認知機能障害(MCI)の段階、さらには病理的な変化は起きているが無症状のプレクリニカルADの段階で治療を開始し、神経細胞の変性を抑え、少しでも進行のスピードを抑制することが理想である。

 疾患修飾薬の効果を正確に判定するには、臨床症状や認知機能の変化が少ない初期のADの精密な自然歴を知り、早期の無症候段階で脳に凝集・蓄積するAβを評価、測定する指標が必要となる」と説明する。

 診断には認知機能、臨床評価が最も重要であるが、検査結果はばらつきが大きい。

 そのため、安定して脳の神経細胞の変性を反映するバイオマーカーを併用することで早期から正確な評価ができる。

 また、ADの臨床症状の出現を代理して予測するサロゲートマーカーの開発も非常に重要となる。

アミロイドPETでAβ蓄積を非侵襲的に可視化

 そこで2004年に、MCIを中心とする早期段階のADの自然歴を明らかにし、ADの臨床症状の出現を代理して予測する脳画像や体液バイオマーカーを探索し、症状とバイオマーカーの併用によりその後の進行度を予測、評価することを目的とした多施設共同の縦断的臨床研究ADNIが米国で開始された。

 2004~09年のADNI第1期(ADNI-1)では57施設でADに進行する可能性が高い健忘型MCI 400例、軽症AD 200例、認知機能健常高齢者200例を目標に被験者がリクルートされ、2007年に819例(健忘型MCI 398例、軽症AD192例、認知機能健常高齢者229例)が組み入れられた。

 当初、構造的MRIを用いた脳容積の測定、フルオロデオキシグルコース(FDG)-PETを用いた脳糖代謝画像、脳脊髄液中のタウ蛋白質とAβ1-42などが、バイオマーカーとして測定されたが、途中から一部の被験者に11C-PiBを用いたアミロイドPETによるアミロイドイメージングが行われた。

 2009~11年のADNI"Grand Opportunities"( ADNI GO)では18F-AV45を用いたアミロイドPETが行われるようになり、2011~16年のADNI第2期(ADNI-2)からは全例にアミロイドPETが施行されるようになった。

 ADNI第3期(ADNI-3)が2016年から5年間の予定で現在進行中である。

「タウ蛋白質が蓄積する疾患としてはAD以外にも何種類かの変性型認知症があるが、AβはADあるいはその初期段階を表す必須の指標である。Aβの脳内蓄積を非侵襲的に可視化することが可能になったことから、ADNIでのアミロイドPETの導入はAD病理の進行過程を知る上で大きなインパクトとなった」と言う。

 日米のMCI進行パターンは類似

 日本で疾患修飾薬の治験を開始するには、ADNIと同様の画像・バイオマーカーを用いた研究が不可欠と考えられた。

 そこで、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)橋渡し促進技術開発プログラム、厚生労働省認知症対策総合研究と企業コンソーシアムが協力したpublic-private partnership(PPP)として医師・研究者主導国家的臨床研究プロジェクトJ-ADNIが2007年に始まった。

 J-ADNIでは2008~12年の3年8カ月間に全国38臨床施設で710例をスクリーニングし、ADに進行する可能性が高い後期健忘型MCI 234例、軽症AD 149例、認知機能健常高齢者154例、計537例が組み入れられた。

 半年から1年ごとにMRIによる脳形態画像、FDG-PETによる脳糖代謝画像、11C-PiBまたはBF-227を用いたアミロイドPETイメージング、脳脊髄液検査、ApoE遺伝子型検査、種々の臨床・認知機能検査を行い、3年間(ADは2年間)フォローアップし、2014年3月に終了した。

 日米の認知機能検査データを比較したところ、アミロイド陽性の後期健忘型MCIの認知機能障害検査に基づく進行パターンは両国で非常に類似していることなどが明らかになった。

 J-ADNIで得られたデータは科学技術振興機構National Bioscience Database Centerのヒトデータベースに登録され、研究用に広く公開され、活用が始まっている。

 プレクリニカルADを対象とした予防治験も開始

 次世代の治験としては、MCIよりもさらに前段階のプレクリニカルAD(アミロイドなどの病理学的変化は陽性だが、無症候である時期)を対象に、疾患修飾薬が認知機能の正常域からの低下を食い止められるかどうかを検討する予防治験が開始されている。

 2014年に開始されたAnti-Amyloid Treatment in Asymptomatic Alzheimer's Disease(A4)研究は米国、カナダ、オーストラリア、日本が参加し、アミロイドPET陽性のプレクリニカルADを対象に、抗Aβモノクローナル抗体solanezumabの有効性と安全性を4.5年間追跡して検討する二重盲検ランダム化比較試験である。

 わが国からは岩坪氏ら東京大学の研究グループが参加、2017年12月に世界で1,169人の被験者組み入れが終了した。

 岩坪氏は「A4はその後に続くプレクリニカルADを対象とした抗Aβ薬の治験のプロトタイプとして重要な意味を持っている。

 今後、ADの予防治験の対象は認知機能健常者になるため、治験を行う上で被験者の登録システム(registry)が鍵になる」と言う。

 米国では一般高齢者に対する認知症研究の啓発活動が熱心に行われ、インターネットを活用したregistryも進んでいる。

 治験に興味を持った人が、簡単なスクリーニングを受けて登録できるシステムが構築されている。

 日本でも2017年から認知症外来をベースとするオレンジレジストリー、健常者を主対象としたインターネットベースの登録システムIROOP(Integrated Registry Of Orange Plan)が開始された。

 また学会を中心とするPPPとして、治験に適格な条件を備えた被験者を多数登録した「トライアル・レディ・コホート」を国際的な連携のもとに構築するプロジェクトも構想されている。

 同氏は「抗Aβ薬をはじめとする疾患修飾薬で最大の効果を得るためには、超早期の治療が必要である。

 その対象となる一般の健常高齢者にAD、認知症の重要性を理解していただき、興味を持たれた方は治験にも積極的に参加してほしい」と呼びかけている。(大江 円)

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加齢黄斑変性の意外な関連 [健康短信]

加齢黄斑変性に車の排気ガスが関連

 日本で増加が続く加齢黄斑変性(AMD)は、加齢の他に喫煙や太陽光など種々の要因が発症・増悪に関連すると考えられている。

 帝京大学眼科学准教授の三村達哉氏は、AMDと揮発性有機化合物(VOC)の関連に着目。

 AMDの病態に自動車由来VOCの曝露が関与していることを、第122回日本眼科学会(4月19〜22日)で報告した。

 自動車由来VOCの尿中代謝産物が有意に高値

 VOCは大気中で気体となる有機化合物の総称で、ベンゼン、トルエンなど100種類以上が存在する。

 VOC発生源は塗料や廃棄物処理などさまざまであるが、自動車の場合は主にガソリンである。

 VOCは生体毒性を有するものが多く、発がん性、遺伝毒性、神経障害などの悪影響を及ぼすことが知られている。

 しかし、これまでAMDとの関連についての報告はなかった。

 三村氏はVOC濃度が高い国ほどAMDの罹患率が高いこと、米国の州別に見るとVOC排出量とAMD罹患率に関連が認められたことから、VOC排出量が多いエリアに所在する帝京大学病院のAMD患者とVOCとの関連について検討した。

 対象は未治療のAMD患者40例(平均年齢73.9±7.2歳)で、白内障患者10例、健康人10例を対照とした。

 3群間で年齢や性、基礎疾患、喫煙歴に有意差は認められなかった。

 自動車由来VOCのうち体内毒性を有するベンゼン、トルエン、スチレン、キシレンの尿中代謝産物5つを検査対象とし、各代謝産物の尿中クレアチニンに対する濃度比と、健康人の平均値に対する増加率を算出。

 それらをAMD群と対照群(白内障患者+健康人)の2群間で比較した。

 5つの尿中代謝産物のうち、2-メチル馬尿酸(トルエン・キシレン由来)とマンデル酸塩(スチレン・エチルベンゼン由来)の濃度比および増加率が、AMD群で有意に高かった。

 白内障患者、健康人では2-メチル馬尿酸の濃度比はともに正常値であった。

 他の3つの代謝産物は、AMD群で濃度比と増加率が高値であったものの有意差はなかった。

 AMD群と健康人で各尿中代謝産物の平均濃度および変動率を比較したところ、2-メチル馬尿酸、3-メチル馬尿酸、マンデル酸塩でAMD群が有意に高かった。

 以上の結果から、同氏は「AMDの病態には自動車由来VOCの曝露が関与している可能性が示唆された」と述べた。

 詳細な機序は不明であるが、体内に取り込まれたVOCがTCAサイクルを抑制し、黄斑の老化を促進させている可能性があるという。
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すべての女性にかかわる骨量・骨密度 [健康短信]

骨密度が低い…その先にあるリスク

一生、自力で動けるために〜スポーツドクターからの提言

順天堂大学女性スポーツ研究センター

女性アスリートの健康上の問題として「無月経」「疲労骨折」「摂取エネルギーの不足」が挙げられ、合わせて「女性アスリートの3主徴」とよばれます。

このうち骨の健康に関して、最近はアスリートだけでなく一般の女性の関心も高まっています。

骨密度が低下するとどのようなリスクがあり、また、骨を守るためにはどうしたらいいのでしょうか。

スポーツドクターの草分けで整形外科医の順天堂大学大学院スポーツ医学教授、桜庭景植さんに聞きました。

適切な指導を受けられない現状がある?

女性アスリートの中でも長距離ランナーは、無月経で骨密度の低い人が多く、それが疲労骨折の原因の一つといわれています。

このようなアスリートがいることは事実です。

しかし、すべての女子ランナーが疲労骨折になり、無月経だったから妊娠できないということはありません。

競技をやめて妊娠や出産を希望したとき、とくに問題がないという人もいるのです。

長年、アスリートを診てきたスポーツドクターとしては、少し大げさにとらえすぎているのではないか、というのが私の意見です。

月経がないから骨が弱くなり、疲労骨折になるとは必ずしも言い切れません。

アスリートの疲労骨折に詳しくない産婦人科医や、月経を詳しく知らない整形外科医も少なからずいます。

関連する診療科の医師が相互に連携していない医療のシステムの中で、女性アスリートは適切な指導を受けていない現状があります。

それをなくしたいというのが女性アスリート外来を開設した狙いの一つです。

骨の健康はすべての女性にかかわる問題

骨の健康は、すべての女性にかかわります。

骨密度が低いことそのものよりも、むしろそれが原因で転倒や骨折をして寝たきりになることが大きな問題です。

高齢化を迎えた日本の女性は、この問題に直面しています。

平均寿命が延びても健康寿命(自立して活動的に生活ができる期間)が短かったら、その後は介護が必要になります。

介護は本人が不自由であるだけでなく、家族に負担がかかり、働き盛りの人の時間や労力までも奪います。

体が動かないことが周囲の人や社会にどれだけ影響を及ぼすかを知ってほしいと思います。

骨量は20代までに増やし、その後は目減りを減らそう

健康寿命を延ばすためには、骨の健康が大切だということがおわかりいただけたと思います。

そのためには、若いうちからの「骨の貯金」が大切なのです。

中年になってから骨粗しょう症が心配になり、あわててカルシウムを取って骨量を増やそうとする人がいます。

しかし、40代、50代になって骨量を増やすことは難しいのです。

骨量は蓄えられる時期が限られます。

20代までに最大量を確保して、いかに目減りを抑えるか。

貯金に例えると20代で貯蓄額をピークにして、その後は残高の減り方をできるだけ少なくしていくことが重要です。

骨量を減らさないためには、運動で骨に適度な負荷をかけることも大切です。

運動は自分の体に合ったレベルが重要になります。

初心者はまず歩き、慣れてきたら次に走ることが基本です。

運動教室に入るか、トレーナーに指導してもらってもいいと思います。

体を動かしていない人がいきなり跳ぶと転倒や骨折をすることがあるので、無理はしないようにしましょう。

寝たきりにならないために続けてほしいこと

日本は世界に例を見ない超高齢化社会を迎えています。

そのマイナスの問題が介護と、「ロコモティブ症候群」(運動器に障害が起き、立つ、座る、歩くといった移動機能が低下した状態)です。

寝たきりにならず、健康で自活できる体づくりのためには、次の三つが大切です。

1.動きましょう:時間は決めず、おっくうがらず、なんでもいいです。でも、転ばないでください。

2.日光を浴びましょう:体内でカルシウムの吸収を助けるビタミンDの代謝活性が上がります。

最近は、骨の健康にビタミンDが必要ということが忘れられています。

顔のシミが心配なら、顔は避けて日光を浴びましょう。

3.カルシウムも適度に取りましょう:思ったように体が動かせる自分の姿をイメージして、生活の中で続けていきましょう。
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“貯筋”のすすめ [健康小文]

百歳まで生きるための“貯筋”のすすめ

まずはあなたの「筋肉年齢」を調べましょう

 今回は筋肉の話です。

「筋肉の話」と聞くと「自分には関係ない」と考える方がいるかもしれませんね? 

 しかし、体全体における筋肉の大切さを知るうえで、そういう方にこそ読んでほしい内容です。

 まず、読み進める前に「Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック」で、あなたの機能年齢を測りましょう。

 その結果のうち、「筋肉年齢」に注目してください。

 あなたの実年齢より若くなりましたか? 

 それとも年を取った結果になったでしょうか?

 30歳以降、年に1%ずつ減少

 最近はいろいろと便利な世の中になってきましたが、便利過ぎて運動が不足し、筋肉が衰えている人が増えています。

 30歳を超えると筋肉は年1%ずつ萎縮し、70歳を超えた人の筋肉は、「全盛期」の7割以下、80歳では6割以下に減ってしまいます。

 筋肉の役割は第一に体を動かすことですが、それ以外にも重要な役割があります。

 食事から得たブドウ糖(グルコース)の7割が骨格筋で消費されます。

 筋肉が減れば太りやすくなるばかりか、糖尿病にもなりやすくなります。

 筋肉は骨を丈夫にするたんぱくを作りますし、転んでもけがが少なくすむように筋肉が骨と関節を守っています。

 筋肉運動によって生じる乳酸は脳下垂体に作用して成長ホルモン分泌を刺激します。

 これは若さと健康を保つための重要なホルモンです。

 さらには筋肉量の低下を放置していると寝たきりの原因になります。

 女性はもともと男性より筋肉が少ないですから、特に注意が必要です。

「まだ先のこと」「自分には関係ない」と思っている30代の段階で、筋力トレーニングなどの対策を始めておくべきです。

 早い段階から筋肉を作る「貯筋」をしましょう。

 日本人約1万人を対象に、私たちが行った筋肉量の調査結果を紹介します。

 男性も女性も大腿(だいたい)すなわち「ふともも」と、腹筋と背筋を合わせた「体幹」の筋肉の衰えが目立っています。

 ふとももの「大腿四頭筋」という筋肉は人体で最大の筋肉です。

 効率よく鍛えて貯筋をしましょう。

 男性4365人、女性5970人を対象に調査。

 百寿者の元気の秘密は筋肉にあり?

 興味深いのは100歳近い人たちの変化です。

 男性では体幹の筋肉が90歳から100歳にかけて増えています。

 見方を変えると、腹筋が無い人、衰えてしまった人は、100歳まで生き残れないという可能性を示しています。

 ここはぜひとも「百寿者」に学んで、腹筋と背筋のトレーニングを実践しましょう。

 女性では下腿、すなわち「ふくらはぎ」の筋肉が100歳で増えています。

 100歳まで生きた女性はふくらはぎが発達している、と言うことができます。

 そこで女性には、60歳、70歳を過ぎてもハイヒールを履くことをお勧めします。

 大学でも学生に「ハイヒールの引退年齢は遅い方が良い」と講義しています。

 ハイヒールを履くと疲れる。

 でも、それが良いのです。ふくらはぎの筋肉が鍛えられて、脚が美しく締まります。

 背筋がピンと伸びて、お尻は上がるし、なんといってもおしゃれです。

 ハイヒールが苦手な方は筋肉が衰えている証拠。

 今からでも遅くはありません。初心者や再起者はまずは5cmくらいの高さから始めましょう。

スクワットでふとももを鍛錬

 それでは貯筋の具体的な方法を伝授します。

 年1%の筋肉萎縮を防ぐには、週3日以上の筋トレが必要です。

 前述の人体最大の筋肉「大腿四頭筋」は、ふとももの前にあり、立ち上がる際や歩行時に使いますが、特に衰えやすく、衰えると寝たきりの原因になります。

「寝たきり」なんてずっと遠い未来の話と思っているあなた、今から貯筋で将来に備えましょう。

 筋トレには、立ったり座ったりする反復運動(スクワット)を必ず盛り込んでください。

 スクワットにも種類があります。

 完全にしゃがんだ状態から立ち上がるフルスクワット、椅子に座った状態から立ち上がるハーフスクワット。初心者はテーブルやキッチンにつかまって体を支えながら行うのが良いでしょう。

 これならばオフィスでの仕事の合間や、キッチンでの食事の支度の合間でも実践できます。

 筋トレは、自分のライフスタイルの中に組み込んだ方が長続きします。

 できるだけ早く、若いうちに始めるほど効果的ですが、筋年齢の“高齢者”も悲観することはありません。

 コツコツと努力すれば、効果は必ず表れます。

ランチに「たんぱく質をプラス」の意識を

 筋肉を保つために、もう一つ忘れてはならないのは栄養バランスです。

 その基本は摂取カロリーの比率が炭水化物:たんぱく質:脂質=6:2:2に近づけること。

 最近、炭水化物が多すぎて、たんぱく質が少ない人が増えています。

 たんぱく質が足りないと貯筋ができなくなります。

 炭水化物を減らし、たんぱく質を増やして6:2:2を目指しましょう。当然、お菓子をランチ代わりにするのは厳禁です。

 炭水化物過多に当てはまりそうな人は、1日でご飯1杯分を減らして、お肉かお魚を80g増やす感じに変えてみましょう。

 特にランチは炭水化物が多くなりがちです。

 ラーメンはチャーシューメンに、もりそばは天ぷらそばに変更し、パンだけではなくチーズとハムを追加しましょう。

 炭水化物を全然取らないとか、肉や魚などたんぱく質しか食べないといった極端な食事療法はかえって危険。健康を損ねてしまいます。何ごともバランスが肝要です。

 健康な方はもちろん、太り気味の方、糖尿病予備軍の方、筋肉量が減ると体重や血糖コントロールはさらに難しくなってしまいます。

 全身のバランスから見直してみて筋肉量が落ちている、と感じる方は、ぜひとも今から筋肉量を増やす「貯筋の習慣」を始めましょう。

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「座り過ぎ」と脳の関係 [医学・医療短信]

「座り過ぎ」は心臓だけでなく脳にも悪影響

 椅子やソファに長く座り過ぎると、心臓だけでなく脳にも悪影響を及ぼすようだ。

「PLOS ONE」4月12日オンライン版に掲載された研究によると、座った姿勢で長時間過ごす人は、新たな記憶の形成に重要な脳領域の皮質が薄いことが分かった。

 研究を行った米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)セメル神経科学・ヒト行動研究所のPrabha Siddarth氏らは、こうした脳領域の皮質の菲薄(ひはく)化には、座りがちな生活による運動不足ではなく、座ること自体が関連しているのではないかと指摘している。

 この研究では、認知機能が正常な45~75歳の男女35人を対象に、日常的な運動量と過去1週間の1日の平均座位時間について尋ねた上で、脳のMRI検査を実施し、記憶の形成に関わる内側側頭葉と小領域の皮質の厚さと、運動量および座位時間との関連を調べた。

 結果、座っている時間が長い人ほど、内側側頭葉とその小領域の皮質が薄いことが分かった。

 一方、こうした脳領域の皮質の厚さと運動量との間には関連はみられず、比較的運動をしている人でも座位時間が長いと、これらの領域の皮質は薄くなっていた。

 しかし、専門家の一人で、米ズッカー・ヒルサイド病院のMarc Gordon氏は、

「座るという行動全てが脳に悪影響を与えるわけではなく、座っている間に何をしているかで影響は異なる可能性がある」と指摘する。

 Siddarth氏らもこの意見に同意を示しており、

「座っていても、クロスワードパズルや書き物、書類の作成、コンピューターゲームなどで認知的な活動をしている人と、テレビや映画を見ているだけの人では差があるかもしれない」と話している。

 また、同氏らは、内側側頭葉の皮質が薄くなることは、中年期以降に認知機能が低下したり、認知症を発症する前兆である可能性を指摘し、

「座位時間をいかに短くするかが、アルツハイマー病やその他の認知症を予防する鍵となる可能性がある」と述べている。

 さらに、これまでの研究で座位時間が長いと心臓病や糖尿病、早期死亡リスクが高まることが報告されており、同氏らは、

「座りがちな生活を解消することは、これらの疾患の発症や死亡リスクの低減にも役立つだろう」と付け加えている。

 なお、今回の研究では、座ること自体が脳組織の菲薄化の原因であるとは証明されていない。

 Siddarth氏らの研究チームは、これらの関連を長期的に調べる研究を実施したいと話している。
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くらしの危険・ 乳幼児の事故 [健康短信]

「くらしの危険」乳幼児の事故
 
乳幼児が磁石を誤飲する事故が発生しています!

小さい磁石(マグネット)を複数飲み込んだり、磁石と金属とを一緒に飲み込んでしまうと、それらが腸を挟んでくっついて、炎症を起こし、腸に穴を開けてしまうなど、重症事故をひき起こすおそれがあります。

万一、誤飲した可能性がある場合には、医師の診断を受けましょう。

乳幼児の誤飲事故の原因の第1位はたばこです。

加熱式たばこの普及により、たばこ葉が入った. 部分の誤飲事故も増加することが考えられます。

加熱式たばこは、スティックやカプセル状の葉を、別売りの本体装置に装着して利用します。

国民生活センターが市販の全3タイプ12銘柄を調べたところ、葉の部分はいずれも44ミリ以下で、乳幼児が誤飲しやすい形状でした。

1本に2~7ミリグラムのニコチンが含まれ、中毒症状が表れる恐れのある量を超えていました。

医療機関からの情報提供などで、これまでに国民生活センターが把握した事故は11件。

生後7カ月~1歳5カ月の乳幼児が、室内やごみ箱にあった葉を口に入れ、ぐったりしたり吐いたりして病院を受診しました。

火を使わないため、そのままごみ箱に捨てるなど通常のたばこと比べて扱い方が無防備になりやすいことも、事故のリスクを高めるとみられます。

使用前後のスティック等など 乳幼児の手の届かないところに保管・廃棄しましょう。

● スティック等を誤飲した場合には、 水や牛乳等は飲ませず、直ちに医療機関を受診しましょう。

もし、乳幼児が加熱式たばこのスティック等を口にしてしまったら、口の中にたばこ葉が ある場合にはかき出し、水や牛乳などは飲ませずに、直ちに医療機関を受診しましょう。

水や牛乳などを飲ませると、水分にニコチンが溶け出し、かえってニコチンが吸収されや すくなってしまいます。
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高脂血症治療剤が痛風リスクを減らす [健康短信]

高脂血症治療剤「フェノフィブラート錠」糖尿病の痛風リスク半減

高脂血症治療剤「フェノフィブラート錠」で、糖尿病の痛風リスク半減することがオーストラリア、ニュージーランド、フィンランドの3カ国で行われたFIELD試験の事後解析で明らかになった。

FIELD試験=フェノフィブラートの心血管イベント抑制効果を検討した大規模ランダム化比較試験。

結果は「Lancet Diabetes Endocrinol(ランセット糖尿病エンドクリノール)」に発表された。

対象は軽度脂質異常症を伴う50~75歳の2型糖尿病患者9,795例で、フェノフィブラート群に4,895例、プラセボ群に4,900例を割り付け、中央値で5年間追跡した。

事後解析では、両群の尿酸値の変化と痛風発作リスクを比較した。

ランダム化前の導入期間における6週間のフェノフィブラート投与で尿酸値は20.2%(1mg/dL相当)低下し、ランダム化後1年時点のフェノフィブラート群の尿酸値はプラセボ群に比べて20.1%低かった。

5年間に報告された初回痛風発作はプラセボ群の151例に対し、フェノフィブラート群では81例と有意に少なかった。

初回痛風発作の累積発生率は、プラセボ群では登録時尿酸値6mg/dL超群が7.7%、同7mg/dL超群が13.9%、フェノフィブラート群ではそれぞれ3.4%、5.7%であった。

痛風リスクの軽減は男女、脂質異常症の程度、利尿薬使用、尿酸高値を通じて類似していた。

アロプリノール使用にもかかわらず登録時の尿酸値が高かった患者でも、痛風リスクに対するフェノフィブラートの効果に不均一性はなかった。

すべての痛風発作を考慮すると、フェノフィブラート群はプラセボ群に対して痛風リスクが半減していた。
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